測定中のねじ
スリーブ
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 誰も書かない 測定の落し穴
   
         ダイヤルゲージは繊細な歯車構造 
   
  【 構造
  スピンドルの上下運動は内部構造のスプリングによって制御されています。スピンドルは内部も丸棒で縦に連続した凹凸部があり、この凹凸に接触する位置に取り付けられた歯車によって直線運動が回転運動に変換されて短針が回転する仕組みです。この短針用歯車の軸には一回り大きな径で歯数の多い歯車も付いていて、この回転が長針の歯車に伝達されるので、長針の速い回転となります。
スピンドルの短い上下運動を歯車で増幅して長針の回転数を得る構造なので、スピンドルを急激に動かすと歯車には大きな負荷がかかり損傷しやすい弱点があります。運動の伝達が面ではなく点に近い接触なので、この点からも過負荷には弱いです。
スピンドルを持ち上げて離すと、スプリングの張力で降りてきて下限で止まります。この程度のショックでは壊れませんが、長期間の繰り返しにより歯車の損傷が危惧されますので、手を添えてゆっくり動かす配慮が必要です。
   
                           ダイヤルゲージ 応用測定機器 穴深さQゲージ
   
  【 測定準備 】
  ダイヤルゲージは、スタンド等に取り付けて使用するものなので、0位置で止まる様にセットされていますが、スピンドルを少し持ち上げて降ろす作業を数回繰り返して0点確認を行い、ずれていればストップネジを緩めて文字盤外周部を手で回し0点の補正をします。
穴深さQゲージの場合は、標準品とは逆の動作なので、測定子をブロックゲージでスリーブとフラットになるまで押し込んだ位置で0点確認をします。
   
  【 測定誤差のメカニズム 】
  スピンドルと測定子に伝わる圧力は伸ばされたスプリングの復帰力なのでほぼ一定であり、繰り返し測定しても試料に対してかかる圧力が変わらず、人による測定誤差は発生しにくい機構です。
ただし、測定子を上限まで持ち上げて手を放し、スピンドルと測定子を速く降下させた状態で試料に当てると、スピンドルの降下惰性により試料に必要以上の圧力がかかり短めの測定値になる場合があります。
スピンドルと測定子はねじで連結されており、ねじを止まるまで締め込むと、スピンドルに対し測定子の垂直度が僅かではあるが変化します。点接触の測定子では影響しませんが、面接触の測定子では測定面の水平度が変化し測定面両端の高さに無視できない差異が生じる場合があります。このため、ブロックゲージなどを測定面の一部に当てて指示値を確認する作業を何個所か行い、バラツキが出ていないことを確認する必要があります。
   
  【 測定 】
  ノギスやマイクロメーターは、摩耗等で精度不足になった場合、その影響は測定可能範囲全般あるいは全般ではないが広い範囲に及ぶことが多いです。これに対し、ダイヤルゲージではスピンドルの上下運動を歯車により回転運動へ変換しているので、歯車の一山が損傷するとその山がかみ合った時だけ指示値に異常が発生します。
このため、スピンドルを下限から上限まで極ゆっくりと移動させた時に、長針が連動して滑らかに回転していることを確認する必要があります。
   
   
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